AIツールのコスト最適化
—— MAXプランを手放す実験

必要なのは最高のプランではなく、必要十分な手段だった。
クローンとプッシュができれば、エッセイは書ける。
通信もPovoで足りるか、1ヶ月試してみる。

この記事で言いたいこと:Claude MAXプランを更新タイミングで見直した。GitHubリポジトリのクローン・編集・プッシュがClaudeのチャット画面から直接できることがわかったため、エッセイの作成も修正も無料版で十分まかなえる。同時にPovoへのモバイル通信切り替えも実験中。1ヶ月でどこに支障が出るかを記録していく。

1. 更新タイミングという見直しの機会

サブスクリプションは惰性で続きがちだ。

Claude MAXプランは便利だった。Claude Codeも使える。アーティファクト機能もある。処理量の上限も余裕がある。「あると良いもの」が全部揃っていた。だからこそ、更新ボタンを押し続けてきた。

だが更新タイミングという節目に、一度立ち止まって問い直してみた。「これは本当に必要か?」ではなく、「これなしでどこまでできるか?」と。

オフグリッドの思考は、電力だけに適用されるものではない。情報インフラも、通信も、AIツールも、同じ問いが立てられる。インフラへの依存を一段ずつ見直し、必要十分な構成を探っていくことが、持続可能な個人事業の基盤になる。

2. 発見:チャット画面からクローン・プッシュができる

きっかけは小さな実験だった。

Claudeのチャット画面で「GitHubのリポジトリをクローンできる?」と聞いてみたところ、あっさりできた。コンテナ環境でbashが動いており、gitコマンドが使える。Personal Access Tokenを渡せばpushも通る。

つまり、このリポジトリ(tokistorage/lp)に存在する200本以上のエッセイHTMLは、Claude MAXどころかチャット画面から直接編集・追加できる。実際にこのエッセイもその方法で作成し、pushした。

コードを書かなくていい。ローカル環境を整えなくていい。
「こういうエッセイを書いて」と伝えれば、HTMLが生成され、リポジトリに反映される。

Claude Codeが強みを発揮するのは、ローカル環境への直接アクセスや長時間の継続作業が必要な場面だ。しかしTokiStorageのエッセイ追加・修正という用途においては、セッション内完結で十分だった。

3. コストの棚卸し

AIツールと通信費を同時に見直すことにした。

項目 変更前 変更後(実験)
Claude MAXプラン 無料版(チャット+git操作)
モバイル通信 キャリア契約 Povo(都度トッピング)+ 無料Wi-Fi併用

Povoは基本料金0円で、必要なときだけデータをトッピングする仕組みだ。さらに「Data Oasis」という仕組みがあり、ローソンの店舗Wi-Fiに接続すると0.1GBが無料チャージされる。月10回まで利用可能なので、最大1GB/月を無料で確保できる計算だ。

「1時間1GB」のトッピングも試したが、エッセイを書くような用途では1時間で1GBを消費しきれず、時間切れになった。動画視聴やダウンロードなら使い切れるかもしれないが、テキスト中心の作業には過剰だ。エッセイストにとっては、ローソンのData Oasisで0.1GBをこつこつ積み上げる方が合理的だという結論に至った。

1時間1GBは、使い切れなかった。
ローソンに寄るたびに0.1GB。これがエッセイストの最適解だ。

ローソンは全国に約1万5千店舗ある。コンビニに立ち寄るついでにWi-Fiに繋ぐだけで通信量が積み上がっていく。「データをもらうために行く」ではなく、「行ったときにもらえる」設計がオフグリッドの思想に近い。インフラを意識せず、自然に恩恵を受ける状態だ。

TokiQRはそもそもサーバー不要・オフライン動作を設計思想の中核においている。音声データをQRコードに封じ込め、スキャンだけで再生できる。その設計者が、常時モバイル通信に依存しているのは、どこか矛盾していた。

4. 1ヶ月の実験項目

以下の問いに対する答えを、実際の業務を通じて検証していく。

「支障がないか確かめる」のではなく、「支障がどこで出るかを確かめる」という設問設定にしている。前者は現状維持バイアスがかかりやすく、後者の方が正直な観察ができる。

削減できるコストを削減し、その浮いたリソースを本質的な活動に向ける。
これもオフグリッドの思想だ。

5. ストリーミング離脱という副産物

通信データを節約しようとすると、自然とYouTubeやTikTokから離れることになる。

ストリーミング動画は通信量の大半を占める。Povoで使えるデータ量を意識し始めると、無意識に流し見していたコンテンツへの依存が、まず削ぎ落とされていく。これはコスト削減の目的で始めた実験の、予期していなかった副産物だ。

YouTube・TikTokが提供するのは、外部から次々と投入されるインプットだ。アルゴリズムが「次に見るべきもの」を決め、注意は常に外側に向けられる。受動的に消費し続ける状態では、自分の内側で何かが醸成される時間が生まれない。

インプットの源泉が、外部のストリームから内的感覚へと移っていく。
静かになった時間に、自分が本当に考えていることが浮かび上がる。

これはデジタルデトックスの話ではない。通信コストの最適化という極めて実務的な判断が、思考の質を変えるという話だ。オフグリッドの実践は、電力や通信のインフラだけでなく、認知のインフラにまで波及する。

アウトプットの時間も増える。動画を見ていた時間が、エッセイを書く時間になる。スクロールしていた指が、キーボードに向かう。インプットを減らすことは、アウトプットの余白を作ることでもある。

ただし「見たいコンテンツを完全に断つ」必要はない。無料Wi-Fi環境——ローソンのData Oasis、図書館、カフェ——に接続したタイミングで、必要な動画や音声をオフライン保存しておく。YouTubeのオフライン保存、Spotifyのダウンロード、Podcastのキャッシュ。移動中や通信のない環境でもコンテンツを消費できる設計にすれば、ストリーミングのリアルタイム接続は不要になる。

「いつでもどこでもつながっている」状態から、「必要なときに必要なものを手元に持っている」状態へ。これもオフグリッドの設計思想と同じ構造だ。電力を蓄電池に貯めておくように、コンテンツもローカルに貯めておく。

7. 食料をタダで確保する

通信費とAIコストを削れたなら、次は食費だ。

「無料で食料を得る」と聞くと極端に聞こえるかもしれないが、実は日常の中にいくつもの経路がある。炊き出し、スーパーの試食、釣り、農作業の手伝い、廃棄処分前の食材、朝食付きの無料セミナー。どれも「もらいに行く」というより、「動いていれば自然と入ってくる」設計になっている。

インフラを意識せず恩恵を受ける——それはData Oasisと同じ構造だ。
ローソンに寄ったらデータが増える。農家の手伝いをしたら野菜が増える。

釣りは道具さえあれば限りなくゼロコストに近づく。農業の手伝いは、収穫物の一部を受け取る慣習が各地に残っている。廃棄処分前の食材は、フードバンクや飲食店との関係構築で入手できるようになる。朝食付きの無料セミナーは、情報と食事を同時に得る効率のいい場だ。

これらを「節約術」として捉えると続かない。「食料調達のレイヤーを増やす」と捉えると、オフグリッドの設計思想と一致する。単一のインフラ(スーパーで買う)に依存せず、複数の経路を持つことが、真の意味での自立だ。

8. ガソリンを使わない移動設計

通信・食料と並んで、移動コストも見直しの対象だ。ガソリン代は使い方次第で月に数万円に達する。しかし「ガソリンを使わない」という制約を先に置くと、行動設計が変わる。

徒歩・自転車で済む用件は徒歩・自転車で行く。電車で行ける場所は電車にする。複数の用件を1回の外出にまとめる。ローソンでData Oasisを使いながら、近隣の用件を同時に片付ける。移動そのものを減らすのではなく、移動の設計を変える。

ガソリンを使わないことは、移動しないことではない。
どこに行くかを、エネルギーコストから逆算して決めるということだ。

オフグリッドの電力設計と同じ構造だ。太陽光で賄える範囲で生活を設計し、足りない部分だけグリッドを使う。ガソリンも同様に、自転車・徒歩・公共交通で賄える範囲を先に広げ、どうしても必要な場面だけ使う設計にする。

副産物として、移動中の思考時間が増える。車の運転中はスマホを触れないが、自転車や徒歩では景色を眺めながら考えられる。ストリーミング離脱と同じく、制約が内的なインプットの時間を生む。

9. デビットカードとAmazonギフト券で完結する経済圏

通信・食料・移動を最適化しても、支払い手段が旧来のままでは自立は中途半端だ。

デビットカードは、残高の範囲内でしか使えない。クレジットカードのように「後払いの幻想」がない。使った分だけ即座に引き落とされるため、支出の実態が常に見えている。予算管理ツールを使わなくても、口座残高が現在地を教えてくれる。

Amazonギフト券は、デビットカードとは別の経路で「購買力」を得る手段だ。ポイントサイト、アンケート、不用品の換金、友人への立替精算など、現金以外のルートでギフト券を入手できる経路は複数ある。複数の入手経路を持つことで、支出に対するインフラの依存度が下がる。

食料調達に複数の経路を持つのと同じように、
購買力にも複数の流入経路を設計する。

さらに、Amazonの配送先指定という機能がある。自宅以外の住所——コンビニ、宅配ボックス、知人宅——を指定することで、「荷物を受け取るために特定の場所にいなければならない」という制約から解放される。拠点が複数あっても、荷物はそのときいる場所に届けられる。これは移動の自由度を高めるインフラだ。

デビットカード+ギフト券+配送先指定を組み合わせると、固定住所・固定収入・固定インフラに依存しない購買の形が見えてくる。豊かさとは所有の量ではなく、調達経路の多様性だと気づく。

11. 洗濯というインフラ問題

通信・食料・移動・決済と見直してきたが、洗濯だけは正直厄介だ。

自宅に洗濯機がない環境や、移動拠点生活ではコインランドリーが主な選択肢になる。1回あたり約1,000円。週2回なら月8,000円、週1回なら月4,000円。週1〜2回に抑えれば月10,000円以内には収まる計算だ。

洗濯の頻度を減らすには、衣類の枚数設計が重要になる。着回しのきく服を選び、素材は速乾・防臭のものにする。汗をかく日とそうでない日を分けて行動設計するだけでも、洗濯回数は変わる。

洗濯は「溜めてまとめてやる」が最もコスト効率が良い。
1回で大量に回す設計が、コインランドリーとの正しい付き合い方だ。

オフグリッド生活において、完全にゼロコスト化できないインフラもある。洗濯はそのひとつだ。しかし上限を意識して設計すれば、月10,000円以内という管理可能な範囲に収まる。「完璧にタダにする」ではなく「上限を決めて運用する」という発想が、持続可能なオフグリッドの現実解だ。

12. povo2.0を試す人へ:紹介コード

このエッセイを読んでpovo2.0に興味を持った方へ。紹介コードを使って新規契約すると、データボーナス100GB(3日間)がプレゼントされる。

紹介コード:MMMBCET1
新規契約時に入力するとデータボーナス100GB(3日間)がもらえます。

3日間で100GBは、オフグリッド生活における「大量仕入れ」の機会だ。オフライン保存したいコンテンツ、バックアップ、大容量ファイルの送受信——普段はローソンのData Oasisで細々と補充しながら、このタイミングで一気に備蓄する。蓄電池を満タンにしておくのと同じ発想だ。

13. 実験の記録について

この実験の結果は、随時このリポジトリに追記していく予定だ。

成功体験だけでなく、「ここは無料版では限界だった」「Povoでは通信が足りなかった」という失敗も含めて記録する。オフグリッドの実践は、理想論ではなく現実の摩擦との対話だからだ。

1ヶ月後、この文章に追記があれば、実験は続いている。なければ、どこかで軌道修正したということだ。どちらにせよ、記録は残る。